ランチ後編

「失礼します。オーナーの煤賀です。依藤様、何か私共に不手際がございましたでしょうか?」
「煤賀さん、でいいのかな?いやね、このお店に置いてるものについて聞きたくてさ。ここにあるコレと、お店入ったとこに飾ってるアレ、同一人物が創ったものか。そして、何故入り口に置いてある方にはサインがないのか。その点について購入時バイヤーから聞かされてるのかな時になってね。」
「いえ、特に、ああでも何やらサインする人がいなくなってしまった貴重な作品とは聞いております。」
「ほらやっぱり戀ちゃん梅矢さんからいなくなったと思われてる。実際には翌日帰ってきたのにね」
「依藤様…?何故売主の名前を…?」
「それはですね、あぁ見せた方が早いですね。煤賀さん、紙とペンお借りしても?」
「えぇ、どうぞ」
「ありがとうございます。ほら戀ちゃんサイン書いて、いつもの、ね?」
「はーい♪出来たよナオ君」
「Neloan…えっ?依藤様、このサインは一体?」
「煤賀さん、ここに置いてあるコレのサインと比べてみて下さい」
「はぁ…? 同じサイン…!?」
「まぁ、僕たち二人でNeloanというわけです。」
「ボクがサイン役で、ナオ君が作品作りしてる創造者!」
「それで、依藤様方が仰りたいことは…?」
「入り口に置いてある作品にサインさせて欲しいなと。後日作品取りに来て、家にある機材でサインしないといけないんだけどね?」
「畏まりました。いつでも大丈夫ですので、よろしくお願いします」
「よかったねナオ君♪」
「そうだね、戀ちゃん。チェック、お願いします。」

ランチ中編

「ねーナオ君、そっちのペペロンチーノひと口頂戴!」
「よっと。ほら戀ちゃんあーん」
「あーん♪おいしー!ナオ君はい、お返しのあーん!」
「ありがと、あーん。そっちも美味しいね。ここまた来ようか。」
「失礼します。当店からデザートのサービスをさせていただきます。」
「あーっ!ナオ君みて!ティラミス!おいしそー!」
「ふふふ、良かったね戀ちゃん。そういえばここの入り口に僕の作品置いてあるの気づいた?ここにも置いてあるけどさ、入り口に置いてあるほう、戀ちゃんのサイン入ってないんだよね。ちょうどあの喧嘩の時に作ったやつだからさ…」
「あー、ナオ君と喧嘩してた時のやつかー。言ってたねー。あの時作ったけどサインなしで売っちゃったって。せっかくだしサインしてく?」
「戀ちゃん、いつものサインだからお願いできる?」
「いいよー!ナオ君との共同制作になるのが一つ増えるー♪」
「すいませーん、店員さーん」
「失礼します。何かございましたでしょうか?」
「オーナーさんって今日いますか?少し話したいんですけど」
「了解しました。すぐオーナー呼んで参ります。それでは失礼します」

ランチ前編

「いらっしゃいませー」
「すいません、予約してた依藤ですけど」
「個室ご予約の依藤様ですね。ご来店ありがとうございます。ではご案内いたします。」
「良い雰囲気のお店だー♪」
「ありがとうございます。お部屋はこちらになります。ごゆっくりどうぞ。」
「あれ?ナオ君、メニューはー?」
「もう決めて、頼んであるよ。大丈夫、戀ちゃんが頼むだろうもの頼んであるから、予約時にね。」
「ほぇー!さすがナオ君!」
「失礼します。ボンゴレビアンコとペペロンチーノと白ワインをお持ちしました。こちらの白ワインは当店を予約頂くとき、店側で選んでくれとのことだったので、こちらで勝手ながら選ばせていただきました。」
「ありがとう、店員さん。じゃあ、戀ちゃん頂こうか?」
「いっただきまーす♪」

キセル購入、そして

「かっこいいキセルあってよかったー♪」
「よかったねー戀ちゃん。選ぶのに時間かかっちゃったし、お昼いく?」
「うんー!お昼〜♪何食べるのー?」
「パスタにしようと思ってね。良い雰囲気のお店、予約してあるんだ」
「わー!嬉しい!いこいこー!」

キセルを買う約束

「お待たせー♪待たせちゃったかなー?」
「全然待ってないよ。戀ちゃんがどんな格好してくるのか楽しみで仕方なかったからね」
「よかったー♪ どうかな、この服、ボクに似合ってるー?そういえば、一緒にいるときにこの服着れるの嬉しい♪」
「その服サイズ合っててよかったよ。この服着てほしいなと思って、去年の結婚記念日のプレゼントにしてよかった。可愛いよ」
「ふふん、どやーってね♪」
「さて、戀ちゃん、キセル新しいの買おうよ」
「えー、ナオ君のお下がりがいいー!」
「だーめ、戀ちゃんにプレゼントしたいからさせて?」
「うー…ナオ君が自分が使うつもりで選んでくれるならいいよ。」
「はいはい、戀ちゃん、そろそろ行こうか」
「はーい♪」

デートの朝

「ぅにゃー…おはよーナオ君」
「おはよう戀ちゃん。いい天気になってよかったね。」
「ぅん。あ!デートか!天気でよかったー!」
「おとぼけ戀ちゃん可愛いなぁ」
「ぅるさい!もー!」
「さて、お家から一緒に出て、デートでもいいんだけど。今日はなんの日でしょうかー?戀ちゃん分かるかなー?」
「んー…なんだっけー…ボクの誕生日じゃないしー、ナオ君の誕生日でもないよねー?」
「可愛い戀ちゃんに大ヒント!数年前の今日何か大切な事を行なったよ?」
「あー!結婚式!そっか、今日結婚記念日か!最初の一年目から去年まで結婚記念日付近はナオ君が海外に個展開きに行ってて居なかったもんね」
「それについてはごめんね。その代わりって言ったらアレだけどマンション買って同棲しながら学校通えたんだから、許して、ね?」
「ナオ君、結婚するときナオ君が言ってくれた言葉覚えてる?すぐ同棲出来るようにするって。最初の個展でまさか全部売って来ると思わなかったー!」
「戀ちゃんと暮らすのが楽しみで必死だったからねー。いやー買ってくれた人がいい人でよかったよ。お陰でこんな一等地にマンション買えたんだし…って話脱線したね。どうする待ち合わせする?それともお家から一緒に行く?」
「付き合ってたときみたいに待ち合わせしたい〜!おめかしして行くから1時間後に駅前の喫煙所に居て!」
「はいはい、戀ちゃんは仕方ないねぇ。どんな服着て来るのか楽しみに待ってるね。」

お子様戀ちゃん

「ふぁ〜ぁ」
「お、戀ちゃん眠いのかい?」
「うー…眠くなってきちゃった。ナオ君一緒に寝よー」
「はいはい、戀ちゃんは仕方ないなぁ」
「わーい!」
「ほら戀ちゃん喜んでないで、ベッドサイドのランプつけて。室内灯は消すからねー?」
「はーい♪」
「戀ちゃんはベッドに入ると幸せそうな顔するねー」
「ナオ君と一緒に寝れると思うと幸せなんだもーん」
「そんな戀ちゃんには絵本を読んであげよう」
「えー?絵本ー?何読んでくれるのー?」
「今日はまこさんが教えてくれた『いつでも会える』って絵本だよー」
「まこさんが教えてくれたならあたりだー♪」
「戀ちゃんいつも絵本読むと途中で寝ちゃうから先に言っておくね。おやすみ、愛してるよ戀ちゃん」
「ボクも愛してるよナオ君♡おやすみ♡」