ここにはもう…

人里離れたこの場所には一人の男性が幽閉されていた。
「ここにはもう誰も来ない…全て私が悪いのでしょうから…」
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「お嬢様!また手首をお切りなって!血だらけじゃありませんか…手当をさせていただきますから少々お待ちくださいませ」
私はお嬢様の手当てをするために救急箱を取りに行き、直ぐにお嬢様の元に戻り手当てをさせていただきました。
……そしてそれが、私がこんな場所で幽閉されている理由でもありました。
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「私がお嬢様に毒を盛るだなんて酷すぎます!きっと誰かの陰謀です!」
「誰かの陰謀ですか…それは誰ですか…?」
「そ、それは…その…」
「ゴホンッ ーーを毒殺した罪で罪人を塔へ幽閉しろ」
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「私が生きて罪を償ったところでお嬢様はもう帰って来ない…」
左手首に傷をつけてお嬢様のことを考えて1日を過ごしています。
気がつけばお嬢様と同じだけ傷をつけて居ました…