娘からのプレゼント

「お母さん、今日はお父さんとココに行ってきて。予約してあるから」
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「お父さん、はいこれ、予約券。駅前にある宝石店行ってこれ渡せばわかるから、お母さんからご飯行こって誘われたら駅で待ち合わせしてね。」
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「あなた、今日はレストラン行きましょう?娘からのプレゼントなんだから精一杯お洒落して、昔みたいにデートしましょう?」
「そうだね、…18時ごろ駅で待ち合わせしようか?」
「わかったわ、また後でね♪」
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「星空が見えるわ。ワインも美味しいわね」
「お、流れ星じゃないか。…そうだ、僕からもプレゼントがあるんだ」
「あら?何かしら」
「今日は結婚30周年だろう?大切なこれを渡したい」
「…あら素敵なネックレスね。つけてくれる?」
「勿論。真珠婚にふさわしいネックレスだろ?仕事で忙しい僕のために娘がリストアップして調べてくれたんだ。」
「いい子に育ったわね。私たちのためにこんな素敵なプレゼントをくれるなんてね。やっぱり私を選んで成功でしょう?」

あの日の後悔

「あの日外食なんてしなければ…」
大学時代にお互いが一目惚れした相手にに合コンで再開し、結果的に私たちは結婚をした。その数年後突然彼は若者の飲酒運転で人生を奪われてしまった…。
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「翌日仕事の日は首筋にキスマークつけるのやめてって言ってるよね?」
「ごめんごめん、なんか君が言い寄られてるって噂を聞いてね…」
「私が貴方から離れると思ってるの?…まぁ良いわ。今日は外食しましょう?美味しいお店を予約してあるの」
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「お母さんなんで泣いてるの?お目目真っ赤だよー?」
「貴方のお父さんがね、生きていた頃を思い出してたのよ」
「僕のお父さん?どんな人だったの?」
「とても優しくて格好いい人だったわ。雨が降ってれば風邪を引かないようにと駅まで迎えにきてくれたのよ?…貴方も大好きな人ができたらお父さんみたいにしてあげなさいね」

雨の降る中

私はきっと愛されている。
雨が降っていれば駅まで迎えにきてくれて、晴れていても私の傍らで日傘をさしてくれる。
「ーー、いつもありがとう」
「いいさ、アルビノの君には陽の光は凶器でしかない。でもね、君のその血に濡れた紅い眼はとても素敵で吸い込まれそうになってしまう」
「ふふっ♪吸い込んであげようか?」
どこかゾクゾクとする妖しい目で見られてる。
「そう言えばさ、会社のトイレで鏡見たときに気づいたんたけどさ、私の首にキスマークがあったんだけどいつつけたのよ…」
ニコニコしながら眼は笑ってない顔でこっちを見てる。
「ちょっとしたイタズラでつけただけだよ…ごめんね」
綺麗な蒼銀の髪を撫でてる時につけてしまったモノだ…。
「…嬉しいんだけど、流石に不特定多数の人に見られるのは恥ずかしいわよ…」

ここにはもう…

人里離れたこの場所には一人の男性が幽閉されていた。
「ここにはもう誰も来ない…全て私が悪いのでしょうから…」
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「お嬢様!また手首をお切りなって!血だらけじゃありませんか…手当をさせていただきますから少々お待ちくださいませ」
私はお嬢様の手当てをするために救急箱を取りに行き、直ぐにお嬢様の元に戻り手当てをさせていただきました。
……そしてそれが、私がこんな場所で幽閉されている理由でもありました。
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「私がお嬢様に毒を盛るだなんて酷すぎます!きっと誰かの陰謀です!」
「誰かの陰謀ですか…それは誰ですか…?」
「そ、それは…その…」
「ゴホンッ ーーを毒殺した罪で罪人を塔へ幽閉しろ」
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「私が生きて罪を償ったところでお嬢様はもう帰って来ない…」
左手首に傷をつけてお嬢様のことを考えて1日を過ごしています。
気がつけばお嬢様と同じだけ傷をつけて居ました…

再会

今日は待ちに待った合コンだ
友人主催で可愛い子が集まる予定。
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今は二次会の最中。
…参加するのやめたほうがよかったなぁ…まさか大学時代に一目惚れした子が来てるとは失敗した…
「はぁ…」
「あれ?ーー君だよね?ほら、ーー大で一緒だったじゃん!…そうだ!いっしょに歌おうよ!」
「う、うん」
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「あの時ね。ーーが溜息ついたの見て悲しかったんだー。だって、私が一目惚れした人にまさかの再会してチャンスと思って話しかけようとしたら目の前で溜息つかれるんだもん…」
「ごめんね、歌下手だしカラオケで二次会するの嫌だったんだ。いくら君が参加しても、歌って失敗こいたら空気壊すじゃん…?」
「いっしょに歌ったけど上手だったよ。…流石に大学時代にお互いがお互いに一目惚れしてるとは思わなかったわ。でも、こうして結婚していっしょに居られるのは成功でしょう?」